こんなファクタリング会社に要注意 〜貸金業とのグレーゾーン
ファクタリングは経済産業省など政府も推奨している資金調達方法です。しかしながら現状ファクタリング業者を営むための許認可がなく、ファクタリング業者を規制する法律等も存在しません。そのため残念ながらいわゆる悪徳業者も少なからず存在します。ただ最近そのような悪徳業者が摘発され貸金業法違反として有罪判決となった例も出てきています。
つまり取引の内容によっては、借金とみなされてしまうケースもあるということなのですでは、どのような取引が借金とみなされるのでしょうか。
借金とみなされるファクタリング取引とは
まずファクタリングの取引は、売掛金などの債権を第三者であるファクタリング業者に、一定の手数料を差し引いた上で売却する売買取引であるということを忘れてはいけません。つまりその債権はファクタリング業者が買い取り、本来の請求者になりかわって債務者から入金を受けるということになるのです。ですから一旦ファクタリング業者が受け取った債権を再び買い戻させるような契約は、実質的に債権を担保に融資をするのと同じことになるので、貸金業法に抵触します。さらに手数料を差し引いた上で一旦依頼者に入金した上で、額面通りの金額で再び依頼者に買い戻させるわけですから、その手数料分の金額が利息としてみなされるのです。ファクタリングの取引で請求債権が入金される期間はだいたい1ヶ月程度ですから、その手数料分を利息と考えると相当高額な金額となり、場合によりヤミ金と同等以上となるケースも否めません。事実、元ヤミ金業者がこのような取引を行なっているケースも相当数あるとされ、何件か摘発され貸金業法や利息制限法違反で有罪判決が出ているケースもあります。つまり裁判所もファクタリング取引でも実質的に借金となる取引もあるということを認めていることになるのです。
悪徳なファクタリング業者の見分け方
ではこのようなヤミ金の隠れミノになっているような悪徳な業者に引っかからないためにはどのような点に注意すればいいのでしょうか。現在のところファクラリング業者を取り締まる法律がないため、資金さえあれば誰でもいつでもファクタリング業を始めることができます。しかし、携帯電話だけで営業を行っていたり、面談を拒否されたり、事務所の所在地が不明確であるといった業者は、正しくファクタリング取引を行なっていないと考えられます。さらに業者と交わす契約内容にも注意が必要です。ファクタリングはあくまで債権の売買取引ですから、先に述べた通りその債権を買い戻すような契約は借金と変わらないということを認識しましょう。ファクタリングによって一刻も早く資金を調達したいという気持ちや焦りもあるでしょうが、その焦りで目先に見つけた業者と内容をよく確認せずに契約を締結するようなことは避けるべきです。最近はインターネット上に多くのファクタリング業者がホームページを解説し、業者を比較するサイトもあり少しの時間で業者の比較検討ができるようになっています。このように複数業者を比較し、契約内容をきっちり確認することこそ悪徳ファクタリング業者に引っかからないポイントといえるでしょう。
もし悪徳なファクタリング業者に引っかかったら
すでにファクタリングを利用していて、その業者が先に述べた悪徳業者かもしれない場合、
どうすればいいのでしょうか。取り締まる法律がないわけですから警察や金融庁に相談してもすぐに動いてはくれないのが現実です。ですが悪徳業者を摘発する動きも出ており、ファクタリングに得意とする弁護士も現れてきています。現状は、このような専門家の手を借りつつ円滑に解決していくことが得策といえるでしょう。