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売掛金担保融資 2018.12.20

売掛金担保融資の利用事例3つ!

企業にとって資金調達は極めて重要であることは言わずもがなです。

最近では黒字倒産という言葉も流行っており、業績が良かったとしても資金がショートして倒産に至る事例が少なくありません。

だからこそ資金調達が極めて重要になってくるわけ。

その資金調達方法として注目を集めているのが売掛金担保融資です。

売掛金担保融資は売掛金を担保に入れることで融資を受けるタイプの借入方法となっており、業績が悪い会社であったとしても利用できる可能性があります。

今回は売掛金担保融資の利用事例3つを紹介します。

銀行融資がNGであったケース

Aという会社のケースですが、一時的な赤字に陥ってしまいました。債務超過に陥っており、金融機関のリスケ中となっていたのです。

そのような状況になってしまうと、新たな銀行融資を受けることは難しくなります。とりあえずは債務を処理して、その上で融資の申込みをしなければ審査を突破できる見込みはありません。

だからといって債務の返済を進めることは資金がなければできないのです。

そこでA社が利用したのが売掛金担保融資です。

A社では、売上については毎月一定額ありその売掛金を一定期間担保に入れることで入金を前倒しにしました。

一時的に資金的な余裕ができるので、その間に財務面の改善に着手したわけです。

この事例で注目してほしいのは、銀行融資がNGであったとしても売掛金担保融資なら利用できる、という部分です。売掛金が担保に入っているので、一般の融資よりも審査は格段にゆるくなります。

出入りギャップが発生しているケース

Bという会社ですが、月末になれば入金があるので特に問題は発生しません。しかし月中に手形の決済や人件費の支払いが発生するので、資金がショートしそうになってしまうのです。

あるときは仕入れ費用がかさむことになり、計算上資金がショートしてしまう可能性が出てきてしまいました。要は出入りギャップによる資金難の状態になってしまったわけです。

B社としては一時的な資金難なので、長期的に返済が必要になるような融資は受けたくないと考えています。そこで検討したのが売掛金担保融資でした。

B社ですが、前述したように月末になれば売上金が入ってくるので資金面は問題なくなります。要は出金間隔と入金間隔のズレが資金繰りを悪化させている原因なのです。そこで出入りギャップの原因となっている売掛金を利用した資金調達を思いつきました。

1ヶ月後から2ヶ月後に入金される予定の売掛金を利用して資金調達をしたのですが、問題なく仕入れや費用や人件費の支払ができました。資金がショートせずに済んだわけです。

B社に限らず、一時的に出費が増えるようなケースはいくらでもあるわけです。そんなときにも売掛金担保融資であれば、十分に対応できますよ。

事業の急成長で仕入れ資金が高まっているケース

C社では、売上が右肩上がりになっています。

売上が好調ということは良いようにも見えるわけですが、実は大きな問題を発生させることになります。

売上が高まるということは、その売上にかかるコストが負担になる可能性もある、ということなのです。仕入れ費用もかかってきますし、売上増に対応するためにスタッフを増員することもありますよね。

C社はまさにコストが増大するような状況になってしまい、資金難になってしまいました。せっかくビジネスチャンスが来ているというのに、仕入量が増やせなくなってしまったのです。

そこでC社は売掛金担保融資で資金調達をすることにしました。売上が好調なので、多額の売掛金があったからです。

売掛金担保融資で得た資金で仕入量を増やすことができ、結果として大きなビジネスチャンスをつかめました。

C社のように急成長をしているときは、どうしても資金難に陥ってしまいます。そのようなケースにも対応できるのが売掛金担保融資です。

売掛金担保融資 2018.12.20

売掛金担保融資を成功させる秘訣とは?

売掛金担保融資の利用を決定した方はいかにして融資をしてもらえるかを考えなければなりません。審査によって融資できるかが決まるので、審査を突破する方法を考えるべきなのです。

何も考えずに審査に申し込んでしまえば失敗に終わってしまうかもしれません。せっかく審査に申し込んだのに審査落ちをしてしまえば、時間の無駄になってしまいます。資金ショートが差し迫っている場合には取り返しがつかなくなることも。

こちらでは売掛金担保融資を成功させるための秘訣についてお教えします。

秘訣と言ってもそれほど難しいことではありません。資金調達について日々考えている方であれば、すでに行っているものもあるでしょう。

売掛金担保融資を成功させる秘訣その1|状況に合わせた業者選びをすること

l 銀行の売掛金担保融資

l ノンバンクの売掛金担保融資

売掛金担保融資を取り扱っている業者は大きく分けると2つのタイプに分かれています。実はどちらを選ぶのかでもだいぶ成功率が変わってきてしまうのです。

銀行とノンバンクでは審査難易度が大きく異なっています。

l 銀行・・・審査難易度が高い

l ノンバンク・・・審査難易度が低い

売掛金担保融資を成功させたいと思うのであれば、ノンバンクを選ぶのがおすすめ、となっています。だからといってノンバンクを手放しでおすすめしているわけではありません。

実は銀行のほうが掛け目は有利に設定されています。ノンバンクは掛け目が不利に設定されているわけ。よって有利な条件で借り入れをおこないたい、という場合には銀行が適しています。

何が言いたいかといえば、審査難易度が高かったとしても審査を突破できる会社であれば銀行を利用すべき、ということです。

たとえば保有している売掛金の質が良いのであれば、銀行を利用しても問題ありません。売掛先の経営状況が良かったり、経営規模が大きい会社のものであったりすれば、銀行から高く評価されるので審査の通過がしやすいわけです。

一方で売掛金の質が悪いのに無理をして銀行を選ぶと審査落ちになってしまいます。

売掛先の経営規模が小さかったり赤字続きであったりする場合には無理をして銀行を利用しないでください。多少不利になったとしてもノンバンクを利用すべきです。

売掛金担保融資を成功させる秘訣その2|書類の質を向上させること

売掛金担保融資を受ける時には様々な書類を提出することになります。

それらの書類は審査対象となっており、融資の可否に大きな影響を与えることに。

たとえば誤字や脱字が多すぎたり、計算が誤っていたりする場合には大きなマイナスになってしまいます。

「この企業は信頼できない」

「経営者に問題があるのではないか」

「書類の管理もできない会社」

上記のようなことを思われてしまうのです。

たしかに最近の融資はスコアリング審査と言われるものも行われており、データ審査となっています。しかし売掛金担保融資に関しては、人が判断する部分も多くあるのでちょっとした落ち度が融資の可否に影響を与えてしまいます。

特に書類の提出には注意しましょう。提出前に誤字脱字のチェック、さらに計算のチェックを怠らないでください。

売掛金担保融資を成功させる秘訣その3|書類の準備をしておくこと

売掛金担保融資は前述したように多くの書類を必要とします。

普段から書類の整理を行っておいかなければスムーズに提出できないかもしれません。

特に注意してほしいのが、取引先との取引の記録です。取引が証明できないと売掛金の存在が認められなくなり、融資が拒否される恐れもあります。

たとえば取引先からの発注書であるとか納品時の書類、そして請求書などは普段から整理しておいてください。

それらの書類をさっと提出できれば、結果として融資が早く行われることにもなりますよ。

普段の書類の取り扱い一つが融資に大きな影響を与えるのです。

売掛金担保融資 2018.12.20

売掛金担保融資はいくらまで借りられるのか?

売掛金担保融資の利用を考えている方も多いのではありませんか?

しかし売掛金担保融資でいくらの資金調達ができるのか分からなくて悩んでいる方も多いでしょう。

中には少額の資金調達で問題ない方もいれば、高額の資金調達を希望している方もいます。資金調達に関しては希望額というものが必ずあるはずです。その希望額にマッチした方法を選ばなければなりません。

たとえば少額の資金調達であればノンバンクのビジネスローンがあります。高額を希望するのであれば不動産担保ローンがあります。しかし売掛金担保融資ではどの程度の資金調達ができるのかわからないのではありませんか?

こちらでは売掛金担保融資であれば、いくらの資金調達ができるのかを明らかにします。

売掛金が資金調達額の基本となる

ビジネスローンや不動産ローンに関しては、基本的に審査によって貸し出し金額が決まります。もちろん売掛金担保融資も貸し出し金額は売掛金によって決まるわけですが、その金額の基準が「売掛金の債権額」なのです。

たとえば100万円の売掛金を売掛金担保融資に利用する場合には、100万円を超える融資はしてもらえません。売掛金の債権額が上限となっているからです。

さらに債権額の満額を資金調達できるわけでもありません。業者側としても利益を得なければなりません。そこで掛目と呼ばれるもので一定額を差し引いたうえで融資することになるのです。

問題はその掛け目が「何%になるのか?」という部分です。

・掛け目の相場とは?

90%が相場となっています。

たとえば500万円の売掛金を利用するとして掛け目が90%であるとすると、資金調達額は400万円となります(400万円×90%)。

掛け目については業者によっても差がありますし、審査によっても変化することがあります。

ではどのような状況であれば掛け目は有利になるのでしょうか?不利になるのでしょうか?

掛け目が有利になる条件と不利になる条件とは?

・掛け目が有利になる条件例

売掛金担保融資は売掛金の価値が大きく反映されることになります。価値が高いと判断されれば掛け目は有利になります。

問題はどうなれば売掛金の価値が高いと判断されるのか、という部分です。

l 売掛先の経営状況が良い

l 売掛先の会社規模が大きい

l 売掛先と長く取引をしている

他にも売掛金の価値が高くなる条件はありますが、主に関わってくるのは売掛先です。そもそも売掛金を支払うのはどこの誰でしょう?自社ではありませんよね。自社は売掛金を受け取るだけであり、支払うのは売掛先です。

売掛金担保融資を実施している業者は、確実に支払ってくれる売掛先の売掛金であれば結果として損することはありません。安心して融資できるわけです。

売掛先が黒字続きであればどうでしょうか?売掛金の支払いを渋るようなことは想像できませんよね。

売掛先の会社規模が大きければ資金力もあるので、取引先の支払いを遅らせるようなことも考えにくいです。

取引を長くしている、ということであれば信頼関係も築けていると考えられるので、売掛金の入金確率が高いと判断されて有利な掛け目を設定されやすいことに。

ここで自社については審査ではあまり関わってこない、と気づいた方もいるかも知れませんね。全く掛け目に影響を与えないわけではありませんが、基本的には売掛先の状況次第なのです。

少しでも有利な融資を受けたいのであれば、信頼のおける売掛先の売掛金を売掛金担保融資に利用しましょう。

・掛け目が不利になる条件例

基本的には有利になる条件例と逆の状態となります。

l 売掛先の経営状況が悪い(赤字続きである)

l 売掛先の会社規模が小さい(中小企業である)

l 売掛先との取引期間が短い

特に2期や3期連続で赤字を出している売掛先の売掛金は低く評価されがちです。掛け目を低く設定されやすいので注意してください。

売掛金担保融資 2018.12.20

売掛金担保融資の利用までの流れとは?

創業間もない時期であったとしても、すでに売る上げがある状態であれば利用できる可能性があるのが売掛金担保融資による資金調達です。

売掛金を担保に入れることで融資が受けられるので、通常の担保がないビジネスローンよりも審査難易度が低く設定されているのもメリットです。しかし「利用した経験がない」という方も多いのではありませんか?

こちらでは売掛金担保融資の申込みから融資実行までの流れを紹介します。

資金調達をしたいと思っている方、売掛金担保融資が気になっている方は必見です。

1.申込みの実行について

まずは売掛金担保融資を行ってもらう金融機関を選ばなければなりません。

基本的には「銀行」または「ノンバンク」から選ぶことになります。

申し込みを行う金融機関を選ぶときですが、利用条件なども必ずチェックしましょう。さらに貸出条件なども確認してください。どの程度手元にお金が入ってくるのかが重要になるわけです。

仮に審査は突破できたとしても、必要額が調達できなければ意味がありませんよね。

申し込みを行う金融機関が決まったら、必要書類を集めましょう。

必要書類については、申し込みを行う金融機関側から指定されます。指定された書類をかけることなく準備してください。

一般的な必要書類を以下に簡単に記載します。

l 経営者の本人確認書類

l 決算書(財務諸表)

l 売掛金や買掛金の一覧表

l 売掛金を証明する書類(注文書・契約書・発注書・納品書・請求書)

l 納税証明書

l 会社の口座の通常(売掛金の入金に利用しているもの)

2.金融機関による審査の実施

審査については金融機関側が行うことになるので、申し込みを行う側は待っている他ありません。

審査で重要視されるのは、売掛先の信用です。売掛金が担保として入ることになるので、その売掛金が信用できるものであるかを確かめるわけです。売掛先の経営状況などを確かめた上で判断を下すことになります。

もちろん自社の審査も行われることになります。経営状況などが確認されますが、赤字であるからといって利用できないわけではありません。一定の資金力があると判断できる場合には、OKを貰える可能性が高まります。

3.売掛金の担保としての価値を確認する

こちらについても金融機関側が行うことなので、自社があれこれと行ういことはありません。

売掛金の担保価値ということですが、要は入金の確実性をチェックするわけです。

そもそも売掛金が100万円だとすると、入金はされても100万円です。設定額を超えることがないので、その入金が確実に行われるかが判定されることに。

担保の価値の評価には、取引先との契約書類の確認なども行われます。どのような契約で取引が行われているのかを確認されるわけです。

ちなみにより審査を慎重に行ってくる金融機関であると、外部の調査会社による調査が行われることもあります。

4.契約の締結

貸し出しの条件などが決まったら通知があるので確認をしてください。

問題がなければそのまま契約へと至ります。

もちろん契約内容に不満がある場合には無理をして契約を結ぶ必要はありません。契約を拒否する権利もあるのです。

売掛金担保融資に関しては、証書貸付となります。カードローンのように限度額が設定され、損限度額までであれば何度でも借り入れができるわけではありません。借り入れ1回ごとに契約を結ぶことになります。

5.債権譲渡登記

こちらについても金融機関側が手続きを行うことになります。

売掛金は債権なので、その譲渡登記をなければなりません。

ちなみに登記については費用がかかるので、別途請求されることになります。基本的には数千円程度となっています。

6.融資が実行される

登記が完了されるといよいよ融資されることになります。

指定した口座に振り込まれることになります。

基本的に売掛金担保融資に関しては、使途は限定されていません。運転資金としてもOKですし、設備投資資金としてもOKです。

売掛金担保融資 2018.12.20

売掛金担保融資のメリット・デメリット

売掛金担保融資は売掛金を担保に入れた上で融資を受けるものとなっています。担保を入れることになるので通常よりも借り入れがしやすい、といった特徴がありますよね。

こちらでは売掛金担保融資におけるメリットとデメリットについて徹底解説します。

資金調達には必ずデメリットもあります。そのデメリットを理解することも極めて重要なのです。良いところだけを見るのではなく、悪いところもチェックしましょう。

売掛金担保融資のメリット4つ!

①金利が低くなる

②審査が易しい

③売掛先からの承諾を得る必要がない

④代表者の補償が必要にならないことも

・①金利について

あくまで無担保のローンと比較して、という事になりますが、売掛金担保融資の金利は低く設定されることになります。

担保があるので貸出側としてもリスクが低くなることになります。もしもの時には売掛金を回収してしまえばよいのです。返済がされなかったとしても売掛金を回収できるので大きく損をすることはありません。

ちなみに無担保のビジネスローンの金利は、年10.0%から18.0%になることもあります。しかし売掛金担保融資になると10.0%を切ることもあり、少しでも低金利で借り入れをしたい、という方におすすめですよ。

・②審査難易度について

売掛金が担保として入ってくるので、その分審査難易度が下がることになります。

会社としての信用がなかったとしても売掛先に信用があれば借り入れOKになることもありますよ。

・③売掛先に通知する必要なし

譲渡登記制度ができたことにより、売掛先に売掛金担保融資の通知をする必要が一切なくなりました。売掛金担保融資を利用したとしても売掛先にバレることはありません。

バレてしまえば今度の取引にも支障をきたしてしまうかもしれませんよね。売掛金担保融資であれば今後の取引に影響を与えることなく資金調達ができるわけです。

・④個人保証が必要ないことも

すべての売掛金担保融資ではありませんが、代表者の個人保証を不要とするものも登場しています。

そもそも企業が資金調達をしようとすると、基本的には代表者本人が連帯保証人にならなければなりません。大きなリスクを背負うことになります。しかし売掛金担保融資であれば、個人保証不要のものもあるので、リスクをある程度抑えられることに。

売掛金担保融資のデメリット5つ!

①手数料が発生するケースあり

②法人でなければ利用不可

③借り入れのたびに契約が必要

④売掛金の特約によっては利用不可

⑤資金調達まで時間がかかる

・①売掛金担保融資の手数料とは?

債権譲渡登記が必要になってくるので、実費で手数料が発生してしまうのです。その手数料を請求されることがあるので、出費についてはある程度は覚悟しなければなりません。

手数料については前もって確認した上で利用するかを決めましょう。

・②個人事業主は利用できない

売掛金担保融資は売掛金がなければ利用できません。

そもそも売掛債権の債権譲渡登記制度は法人しか活用できないのです。個人事業主では利用できない制度なので、法人であることが必要になってきますよ。

・③証書貸付である

借り入れというといカードローンのようなものを思い浮かべる方も多いでしょう。

たしかにビジネスローンの中にもカードローンタイプのものがあります。限度額まで繰り返し利用できるすぐれものです。

しかし売掛金担保融資は証書貸付となっており、借り入れのたびに契約を結ばなければなりません。

・④譲渡禁止特約が付いている場合は利用不可

どんな売掛金でも利用できるわけではありません。

売掛金には譲渡禁止特約が付帯しているものもあります。譲渡禁止特約が付いているものは売掛金担保融資に利用できないので確認しておきましょう。

・⑤審査に時間がかかる

売掛金担保融資の場合は、まずは自社の審査と売掛先の審査をしなければなりません。審査の手間も倍かかることになるので、融資が行われるまでには時間がかかってしまうわけです。

早くても融資までには数日かかることに。

早急な資金調達を望んでいる方にはおすすめできません。