似ている!?売掛金担保融資とファクタリングの違いを調べてみた
売掛金担保融資もファクタリングも法人の資金調達方法となっています。さらに双方ともに「売掛金」を利用して資金調達をするものなので、同じものだと思っている方も少なくありません。
しかし売掛金担保融資とファクタリングには違いがたくさんあります。
こちらでは売掛金担保融資とファクタリングの違いを明らかにしていきます。資金調達を考えている経営者の方は必見です。
契約が全く異なる!
・売掛金担保融資の契約・・・融資契約である
・ファクタリングの契約・・・売買契約である
売掛金をどのように取り扱うのか、という部分に違いがあるのです。
売掛金担保融資に関しては、売掛金を担保に入れてお金を借ります。要は融資の契約を結ぶことになるのです。担保型ローンと思ってもらってもOKです。
ファクタリングに関しては、売掛金をファクタリング業者へ売却することになります。「譲渡」といった表現が使われることもありますが、要は売掛金の受け取る権利を売ってしまうわけです。
ファクタリングは融資ではありません。よって売掛金担保融資とは契約が全く異なるわけです。
返済が全く異なる!
・売掛金担保融資の返済・・・毎月返済がある
・ファクタリングの返済・・・返済なし
売掛金担保融資に関しては分割の返済も可能となっています。分割の返済に関しては、毎月の返済日を設定し期日に決められた金額を返済していくことになります。
ファクタリングに関しては契約のところでも述べたとおりに売買契約となっています。よって返済というものは一切発生しません。
例えばリサイクルショップにアクセサリーを売却するとします。売却後にリサイクルショップに返済をするでしょうか?しませんよね。それと全く同じことがファクタリングにも言えるのです。
売掛金の貸し倒れにおけるリスクが異なる!
・売掛金担保融資のリスク・・・貸し倒れた場合には損失を被ってしまう
・ファクタリングのリスク・・・償還請求権なしであれば貸し倒れリスクなし
売掛金担保融資に関しては、あくまで売掛金を担保に入れているだけです。貸し倒れたとしても自社で対応しなければなりません。回収できなれければ損失が出てしまうことになるのです。
ファクタリングに関しては「償還請求権」が大きく関わってきます。
償還請求権が「あり」である場合には貸し倒れのリスクを背負うことになります。一方で「なし」である場合には、貸し倒れリスクが発生しません。
償還請求権とは売掛金の回収ができなかったときの対応のことを指しています。償還請求権ありだと、貸倒れが発生した時はファクタリングを利用していたとしても自社が支払わなければなりません。売掛先に変わってファクタリング業者への支払いを行うのです。
償還請求権なしであると、貸し倒れが発生したとしても自社が代わりに返済するようなことはありません。ファクタリング業者が貸し倒れ損失のリスクを負うことになるわけです。
ちなみにファクタリングの償還請求権ですが、基本的に「なし」に設定されていることが多くなっています。よって貸し倒れリスクが発生することはほとんどない、という事になるわけです。
同じところもある!譲渡禁止特約について
売掛金には譲渡禁止特約がついていることがあります。要は他社に売掛金を譲渡することを禁止しているのです。
売掛金担保融資であったとしてもファクタリングであったとしても、売掛金の所有権が譲渡される可能性があります。よって譲渡禁止特約が付いている売掛金については、売掛金担保融資もファクタリングも利用できない、という事になるわけです。
売掛金担保融資を利用するときもファクタリングを利用するときも、対象の売掛金に「譲渡禁止特約」がついていないかを必ず確かめてください。